平成26年6月1日東京医科歯科大学歯科同窓会歯周病講演会 モダン・ペリオドンティクス

6月1日、今日は東京医科歯科大学歯科同窓会の歯周病の講演会に御茶ノ水まで出かけました。

内容は、和泉教授の歯周病学講座の臨床と研究の全体像というもので、極めて多岐にわたる内容でした。

特に、歯周病の原因である細菌に関して、かっての特定細菌による歯周病の成立というものから、種々の細菌の集団としての為害性・病原性に着目した考え方に変遷してきており、「Keystone pathogen concept」や「Polymicrobial and dysbiosis(PSD)」などの新しい概念が登場してきている。

また、歯周病の全身に対する為害性も解明が進んでおり、死因の60%を占めるガン・循環器疾患・糖尿病・COPDは、喫煙・不規則な食事・運動不足・過度の飲酒などにより引き起こされるが、さらに軽微な慢性炎症である歯周病も、上記の疾患の原因因子の一つとして考えるべき時代に入ってきているといえるでしょう。

Keystone pathogen

at 20:27, スマイルクリエーター, ペリオ(歯周病)勉強会

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7月18・19日Prof Sohn Piezo & CGF ハンズオンコース

 夏休みも始まったばかりの7月18日、東京ディズニーランド近くの新浦安・明海大学PDI歯科診療所において、韓国テグのカトリック大学教授のソン教授をお迎えして、7月18・19日まるまる連休2日間室内に缶詰で、インプラント臨床におけるPiezoelectric Deviceの臨床使用と、CGF(Concentrated Growth Factor)の臨床応用に関する実習もからめたハンズオンコースに参加してきました。

Prof Sohn

Thema


既に当院でも、Piezoは導入して1年、CGF(PRF)は導入して1年半の時間が経過しています。
今回は、アジア極東地区で、Piezoの新しいインプラント臨床への応用に積極的に取り組んでおられ、CGF(PRF)の臨床応用も、いち早く導入されているソン先生に、更なる臨床のヒントを頂くため参加した次第です。

SohnsSaw

CGF

Piezoのインプラント臨床への応用は、そもそもイタリアのベロセロッティ先生が始めたことなのですが、ソン先生達のグループの面白い所は、これを上顎洞の洞底膜(シュナイダー膜)の挙上に応用した所が、画期的と言えるでしょう。

膜の挙上というコンセプトそのものは、既にかなり前にラスベガス近郊で開業しているチェン先生がHSC(Hydrodynamic Sinus Compression)というコンセプトで、歯科用タービンの水圧で洞底粘膜を挙上する手法を発表しており、筆者も2回程、直にそのお話を伺ったことがあります。

問題点としては、タービンの水圧が弱いため、挙上そのものは、結局、骨補填剤によって行われることになってしまうため、垂直的な骨の厚みがあるケースは、従来からあるサマーズ法と余り大差がない結果になるということでしょう。

それに対して、ソン先生の考案したHPISEは、水圧を充分洞底粘膜にかけることができるため、水圧による粘膜の挙上が、きれいに簡単にできるようになってきたということです。

多少の臨床的なコツは、ハンズオンの中で学ばねばなりませんが、HPISEはHSCに比較して、かなり安全に洞粘膜の挙上は達成できるでしょう。

現在さらにHPISEとは別に、OSC(Onsite Sinus Compaction)という方法が、韓国からは開発されており、当院では、HPISEとOSC共に行える体制が整っています。

過去においては、上顎の奥歯の骨の垂直的な高さが無い場合、骨の側面に穴を開け(サイナスリフト)、骨を入れて、骨が完全にできるまで8ヶ月程度待ち、その後上部の冠を入れるという、およそ1年という長期間の治療期間がかかりましたが、HPISEやOSCに変更することで4ヶ月程度に治療期間を短縮すると同時に患者さんの手術侵襲を相当少なくすることが可能になり、オペ翌日から、何ら普段と変わりない日常生活を送ることが可能です。

現在でも大学病院では、この侵襲の大きいサイナスリフトをルーティンで行っている所が多く、洞内へ入れる骨も腰骨や膝の下の部分から採取してくる方法が行われており、1〜2週間程度の入院をしなくてはならない場合もあります。

ところが新しいコンセプトととして、もともと上顎洞底部には骨を造る機能が備わっており、わさわざ骨を入れなくても、血液に満たされた空間さえ保持できれば、骨はできるというコンセプトが、スゥェーデンのウメア大学のLundgren先生らによって提唱されてきました。

また同時期にフランスのChoukroun先生達の開発したPRF(CGF)の骨造成能力の高さが脚光を浴び、それならば上顎洞内にPRFを入れたら従来より早くより確実に骨ができるのではないかということから、臨床治験が行われ、最近になってはっきりこの術式が、従来のサイナスリフトより、侵襲が少なくコスト的にもリーズナブルに、上顎の奥歯のゾーンの垂直的な骨の造成に効果があることが証明されてきました。

インプラントの治療方法は、これからも日進月歩で進化していくことでしょう。より患者さんの負担の少なくシンプルな方向へ、これからも進んでいくことは間違いありません。



CGF



member

at 15:48, スマイルクリエーター, インプラント勉強会

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6月3日舌側矯正勉強会

 本日6月3日は、先月、田村先生の矯正勉強会が開かれた東京駅日本橋のサピアタワーで、歯の裏側に装置を付けて、歯並びを治す勉強会に参加しました。

講師は東京赤坂で矯正専門で開業している松野先生で、筆者の出身大学の北大の1年後輩です。s-DSCF0097.jpg

松野先生は日本舌側矯正歯科学会の前会長を務めておられ、現在は多数の裏側の矯正治療を行っている日本を代表する矯正専門医の一人と言っていいでしょう。

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ここ数年は、毎年専門医の教育に熱心に取り組んでおられ、また、美容形成の外科とコンビネーションした矯正治療も多数心がけておられます。

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上の写真は、東京警察病院・形成外科の片倉先生で、実際に都内で、形成外科によるアゴの骨切り術と矯正歯科のコラボレーション治療が、どのように実際おこなわれているのかを解説されている所です。

現在米国では非常に多く行われているのが外科的矯正治療ではありますが、都内では、さまざまな女性の顔面に対する美的要求が、よりシビアであり、やはり、歯並びの補正のみならず、上下のアゴの骨の3次元的な位置までも、外科的に変更して、その形態を整えていくということが、地方に比べると、かなり高頻度で行われています。

やはり小顔にしたいということを考える女性が、関東区域には、相当数おられると感じた次第です。

当院でも、成人の女性で矯正希望される方は、7割程度が、裏側からの矯正治療を希望されて、来院されます。

意外と思われるかもしれませんが、米国では、裏側から歯並びの治療をされる方は、日本程、多くありません。

米国においては、矯正治療は、ステータスの証であり、金属の装置が、表に見えることが、成人女性にとっては、むしろ誇らしいこととして受け入れられています。

ところが、東アジア地区、特に韓国・日本では、成人の矯正は、圧倒的に裏側ニーズや、表からやるにせよ、セラミック系の目立たない装置を希望される方が殆どです。

やはり、東アジアの人々、特に成人にとっては、矯正治療は、密かに、解らないように綺麗にしたいというニーズが、大きく、これから、日本においても、見えない矯正治療の分野は、ますます増大していくでしょう。

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上の写真は、東京駅日本橋にある北町奉行所跡を示す石碑です。

その傍らを多数のビジネスマンが、足早に通り過ぎていき、時の流れというものを感じざるをえません。

at 22:49, スマイルクリエーター, 見えない矯正治療

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5月30日ブラキシズム最前線

 5月30日は国立東京医科歯科大学同窓会・学術部主催の学術講演会に参加しました。

テーマは「ブラキシズム(歯ぎしり・くいしばり)」で、講師は昭和大学歯学部補綴科の馬場教授と大阪大学の加藤講師の2名で、馬場先生が臨床、加藤先生が基礎の生理の立場から講演が行われました。

この古くて新しいテーマである歯ぎしりの問題は、今まで余り歯科の表舞台に出ることはありませんでした。

その理由としては、今も昔もブラキシズムによる力のレベルを同定するのが困難だったのと、患者さん自身が、その存在に気づいていないことが、極めて多いというのが、大きな要因であるかもしれません。

しかし、近年の長寿社会の到来に伴い、人間の寿命が延びることで、歯を保存するという観点から、避けて通れなくなっている問題でもあります。

2010.5.30Brx

歯周病がある程度進行したり、奥歯が何らかの理由で無くなったりすることで、若い頃には、問題にならなかった、咀嚼の際の力や、日中無意識に行っている上下の歯の接触、夜間就寝時の歯ぎしりが、歯の周りの骨や、歯の根そのものに外傷力として働き、歯の周りの骨の吸収を促進したり、歯の根が割れたりするという症状が現れてきます。

しかも大多数の患者さんは、末期的な状態になってからの来院ですので、自ずと臨床的には、歯を救うということには、限界が生じることが多くなります。

しかも、現在の歯科の保険診療では、組織再生の技術も25年前の手法がやっと臨床に入ってきた段階で、患者さんは、保険で最新の治療が受療できると考えがちですが、実は、国の政策で、およそ30年位前のままの状態というのが、悲しいかな保険の診療レベルの実態と言えるでしょう。

その点、このような治療に保険そのものの適用がない韓国や中国の方が、都市部においては、歯周治療の再生療法に関しては、遥かに、日本の保険診療の上を行っているというのが実態です。

軽度から中程度の歯周病に関しては、日本の保険診療でも、ある程度の質を確保することができます。しかし、重度な歯周病になり、骨や歯茎を元に戻したいと考えるならば、やはりサイトカインなどを用いた組織再生をおこなわざるをえません。

本題に戻りましょう。基本的にブラキシズムは、力のコントロールを主体に考えるべきであり、就寝時の歯ぎしりを抑制するには、睡眠の質の改善が必要であり、日中の上下の歯牙接触のコントロールは、やはり、認知行動療法を主体に行わざるを得ないというのが、本日の結論でありました。

今年2月の勉強会で、岡山大学の皆木先生が、顎関節症に関して、大阪で講演されましたが、この歯ぎしりという問題は、虫歯や歯周病のバックグランドとして常に捕らえるべき疾患であり、顎関節症の初期症状として、虫歯や歯周疾患様の症状が出るのを見逃すべきではないというのは、常に念頭において診療すべきであります。

もちろん、歯列の不正咬合の発現にも、歯ぎしりは、大きく関わっていると考えるべきでしょう。

at 22:13, スマイルクリエーター, 歯ぎしり(ブラキシズム)

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5月20日Dr田村・矯正勉強会

 5月20日は東京駅サピアタワー・ステーションカンファレンスで、矯正治療の勉強会がありました。

ここ10年位前から、矯正治療で用いるワイヤーと歯についている装置(ブラケット)との間に摩擦を無くすということが、次第に矯正治療の中で拡がってきており、現在までの針金を歯につけて歯を動かす治療の欠点をかなり補うことができるようになって来ました。

Dr田村

講師は、都内開業の田村 元先生です。

従来の歯についているブラケットにワイヤーを縛り付ける方法に比較して、Passive Self Ligationの方法が優れている点は、プラケットとワイヤーの摩擦が極めて少ないため、極めて弱い力で歯を動かすことが可能になったということです。

このおかげで、歯のみならず歯周囲の骨や歯茎に大変優しく働き、そのため矯正治療中の痛みの出方が極めて少くなりました。

ですので、治療後に歯の根が吸収されて短くなったり、上の前歯の歯茎が大きく下がって、歯と歯の間に隙間が出来て、黒い三角形の空間ができ、風がスースー抜けるということが、極めて少なくなりました

またさらに、この極めて弱い力のおかげで、歯が動く速さが、従来法に比べてかなりアップしています

要するに、局所の毛細血管の血液の流れを遮断しない位のちょうど良い力を、最近になってコンスタントに臨床で使えるようになってきたので、局所の血液循環を阻害しないで歯を動かせるようになってきたということです。

歯が骨の中で動くには、動いていく側では、骨の吸収、その反対側では、骨の添加が常に起きており、血液循環を確保することで、その骨改造が、迅速に行われ易くなるということです

従来の方法は、縛り付ける力に対抗しつつ、歯を動かすという、何とも、矛盾した力の使い方をしていたために、ともすれば、予想以上に歯に強い力をかけすぎて、血液の循環を遮断し、結果、痛みや歯根の吸収、歯茎の下がりなどの現象が、避けて通れないという面がありました。

このPassive Self Ligationの治療のルーツは、約15年位前に米国で開発され、今も進化を続けるDamon Systemにあります。

当院は、Damon先生が約10年前に東京へ初来日した時からこの治療をスタートさせている、このシステムの経験の長さという点では、国内では数少ない医院の一つです。

現在、当院では、成人の矯正の治療ケースが増大しています。このような状況の中で、安全に痛くなく治療を進めるためには、この治療コンセプトは、極めて有効なものであり、今後の成人歯科矯正治療のメイン・ストリームになるということは、ほぼ確実でしょう。

旧来の縛りつけの治療を行っている矯正医も、現在まだ数多くありますが、彼らにとっては全く未体験のゾーンであり、旧来の治療での成功体験を多く持っている矯正医ほど、このコンセプトを本質的に理解することは、難しいと思います。

矯正治療においてどういうコンセプトで治療システムを構築していくかということは、臨床の鍵であり、患者さんにとっても、術者にとっても、毎日乗る車をどうするかと同じ位、大切なことなのです。

やはり、快適で、静かにスイスイ進んで行く車を最終的には選ばざるをえないでしょう。

これは、本当に、矯正治療における革命ともいえる治療コンセプトの変化なのです

サピアタワー近景1

サピアタワーから見た東京駅日本橋付近。鉄道好きな人には、たまらないスポットかも・・・?

サピアタワー近景2

勉強会の合間に見つけたビル屋上の植栽。コンクリートジャングルの中で、心が少しなごむスポット。

at 22:26, スマイルクリエーター, 矯正勉強会

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5月16日ICOI JAPAN implant symposium

 5月16日横浜は朝から快晴
学会会場は、おなじみのパシフィコ横浜である


pacifico

午前のメイン会場のゲストスピーカーはチーム・アトランタのMaurice Saloma先生です。

講演テーマは「Success by design:esthetics in simplified and complex therapy」であり、上顎前歯部領域を中心にどのように審美的な結果を出すべきかという臨床上の具体的な計画と治療戦略に関して、臨床ケースを中心に、詳細なお話を伺うことができました。


saloma

前歯部審美領域に関しては、これから日本でもインプラントの術後のトラブルケースが増えてくるのは、ほぼ間違いありません。

トラブルの第一の原因は、やはり抜歯後1〜2年経過した後の、経時的な自然な骨の吸収による歯肉退縮にあり、この点を考慮して、骨や軟組織の造成をかなり多めにしておく必要性があります。

また、万が一、歯肉が下がった場合も、結合組織移植などで、迅速なリカバリーが必要であり、この点も予め患者さんにお話することも、大切なポイントです。

ランチョン・セミナーは、ストローマンとノーベルの2社が実施し、午後からは、ICOIの会長であるPalti先生が、メイン会場で、主に水平的・垂直的な骨造成について、ソケットプリザベーションも含めて、講演されました。

palti

今回の新しいトピックとしては、Sonic Weldというものが、紹介されドイツの整形外科や脳神経外科で用いられる、生体吸収性材料でできた膜を止めるピンや、新たな遮蔽膜が紹介され、シンポジウムの全ての日程は終了しました。

現在はインプラントを入れることよりも、どのように環境を整備し、永続的で安定した結果が得られるかという方向へ向かって、研究開発が進む時代に入ってきている時代になっていると言っていいであろう。

最後に、Palti先生が冒頭に話されたことをお話して、終わりにしよう。

「患者さんが、欲しいのは歯であって、インプラントそのものではない」

けだし、名言であろう。

at 22:28, スマイルクリエーター, インプラント学会

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5月15日・2010 ICOI Japan Implant Symposium in Yokohama


今日5月15日は、横浜のみなとみらい地区にあるパシフィコ横浜で開催されるICOI Japan  Implant Symposiumへ、やってきました。


ICOIとは、International Congress of Oral Implantologist の頭文字をとって名づけたものであり、世界で最も大きくしかも権威あるインプラントの学会の一つです。

ここアジア地区でも、毎年ICOI主催で、いくつかの大きな学会が催されており、今年は、横浜とアモイ(中国)で開催されることになっています。

ここ横浜では、主に日本と韓国のドクターが集まり、15・16の二日間にわたり多岐に渡るテーマを設けて、講演と質疑応答が行われます。

今回の目玉は、なんといっても海外演者のNY大学のWallece先生、チーム・アトランタのSalama先生、ICOI学会長でドイツで活躍されているPalti先生の3人なんですが、もうひとつ韓国のドクター達の臨床レベルを知る絶好の機会となります。

韓国でも、医療には国の健康保険というものがありますが、こと歯科に関しては、簡単な虫歯を詰めることや歯周病には、保険適用されますが、冠やブリッジや義歯には適用されません。

このため、韓国は国の経済力の上昇に伴い、歯科治療のレベルが、国際水準と肩を並べる位にアップしてきており、特に、歯科の分野では、日本の平均的な歯科治療の質というものは、韓国・台湾・中国の後塵を拝することになりつつあります。

要するに、旧来の米価の政策と同じで、、いくら質の良い米を生産しても、価格が一定では、生産者の熱意が失われてしまいます。

本題に戻りましょう。

15日午前は、まず、日本のドクターが、インプラント周囲の軟組織をどう回復させるかということと、抜歯後すぐにインプラントをアゴの骨の中に入れることに関して講演が行われました。

午後は、NY大学のWallece先生が、上顎洞にまつわるいろいろなトラブルシューティングを快刀乱麻の如く次々と解決していき、さらに別の会場では、韓国のドクターと筆者との間で、PRFやCGF
に関して、貴重なディスカッションをすることができました。

また明日には最終日のシンポの模様も報告します。

at 22:00, スマイルクリエーター, インプラント学会

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4月25日長谷川先生勉強会 IN 東京ミッドタウン

 4月25日は、東京・日本橋で開業されている長谷川嘉昭先生を講師に、六本木の東京ミッドタウンで、インプラントと歯周病治療のクロスオーバー領域に関して、まる1日勉強会を実施しました。

長谷川

長年臨床に携わっていますと、やはり天然歯の良さというものを痛感せざるをえません。

インプラントは、確かにかなり天然歯に近い所まで、トータルな性能と質が向上はしているが、完全に天然歯と同じかというと一長一短あるというのが正直な所である。

咬む力を支えるという点では、明らかにインプラントの方が強い力に耐えることができるが、咬む際の柔らかい感じは天然歯の方が勝っている。

また、インプラントは骨につきささったネジみたいなものなので、歯茎との線維による結合は全くなく、歯周病になりやすい。

ですので、インプラントは、咬む力を大きく支える場合や、義歯やブリッジが、何らかの理由で入らない場合の次の一手として考えるべきものである。

インプラントの臨床に日々関わっていると、インプラントを入れる患者さんの多くが、無意識の内に上下奥歯を弱い力で長時間接触させる習慣のある人が多いのに気づかされる。

逆に言えば、この習慣があるために、歯や歯周組織に過重負担がかかり、大きな虫歯を作ったり、歯周病が急速に進行して歯を喪失してしまったと言えるであろう。

また、義歯をお口の中に入れたとしても、この習慣のせいで、適合の良い義歯でさえ、3〜4日経つと、顎の粘膜に痛みが出てしまう。

さて、本題に戻ろう。

ミッドタウンで行われた長谷川先生のお話は、やはり、天然歯を十分に守り、その上で、全体の治療のバランスをとった上で、インプラントは用いるべきであるということであり、一人一人の患者さんの価値観や生活背景を熟慮し、患者さんと良くコミニュケーションをとって治療計画を決めるべきであるということでした。

もちろん、術後の定期的なクリーニングの重要性は、言うまでも無いことであろう。

昨今の、最初にインプラントありきという風潮に厳しい警鐘をならすものであったといえるであろう。

at 22:11, スマイルクリエーター, ペリオ(歯周病)勉強会

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